【こりゃ、なんでぇ岡山】記号のトイレ(高梁市成羽町下原) 白と黒の異空間に驚き

壁や床が手描きの記号で埋め尽くされた成羽美術館のトイレ=高梁市成羽町下原

 足を踏み入れて驚いた。真っ白な壁や天井、床に至るまで、黒い線で書かれた大小の“記号”でびっしり覆われている。一見、古代文字や地図記号のようだが意味は不明。白黒の異空間に迷い込んだような錯覚に陥る。

 世界的建築家・安藤忠雄さんの設計で建てられた高梁市成羽美術館(同市成羽町下原)の屋内外のトイレ2カ所に、現代美術家・向井修二さんが“装飾”を施した「記号のトイレ」。2014年に同館が開いた向井さんの個展「RESTARTはじまりの場所」の出品作の一つだ。

 トイレとして利用でき、写真も撮れるため交流サイト(SNS)では「用を足すのを忘れるほど衝撃を受けた」「めちゃくちゃ斬新」「面白い」といった書き込みが絶えず、今や美術館を代表するスポットになっている。

 実は屋外トイレの記号群には安藤さんの直筆サインが隠されているといい「ぜひ探してみて」と沢原一志館長。「現代アートに苦手意識を持ちすぎず、気楽に接してもらえれば」とアピールする。

 アクセスメモ JR備中高梁駅からバスで約20分。中国自動車道北房ICまたは新見ICから車で約50分。美術館に約90台分の駐車場がある。

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