運営ミスによる悲劇

 運営側のミスや不可解な判定などで順位が入れ替わる。これが高校スポーツの全国切符を懸けた一戦で起きたら、敗れたチーム、特に3年生はどう受け止めればいいだろう▲そんな悲劇が実際に起こった。先月末の新潟県高校駅伝。男子の中越高は3区途中まで2位十日町高に約20秒差をつけていたが、先導自転車の「誤誘導」でコースを外れ、約200メートルも長く走らされた▲結果、十日町高が中越高に12秒差をつけて優勝。中越高は主催者に抗議して再レースや救済措置を求めたが、新潟県高体連は「周回遅れのチームに先頭の中越高が迫り、安全確保のために先導員はコースからそれた。運営に問題はない」と通告した▲これに対して中越高は「高校側の調査と事実が異なるため受け入れられない」という見解を発表。渡辺裕人監督は十日町高に敬意を表した上で「運営ミスがなければ名勝負になっていた」と無念を口にした▲人のやることに絶対はない。少なからずミスは生じる。だが、大事な試合でのそれは、今後にわだかまりを残すだけではなく、選手たちの進路を左右する可能性さえある▲ミスや誤審を最小限に抑え、ミスが出たら認めて素早く対応する。新潟の失敗を他山の石として、各種大会が円滑に、気持ち良く終われることを切に願っている。(城)


© 株式会社長崎新聞社