現職の渕上隆信氏が3選出馬せず 2023年4月の福井県敦賀市長選挙、北陸新幹線の福井県内開業控え「節目に」

渕上隆信氏

 福井県敦賀市の渕上隆信市長(61)=2期目=は11月21日、敦賀市役所で会見し「(次の任期は)1年後に新幹線が開業して、その後3年間があり大きく変わる節目。ここで終わろうと思う」と述べ、2023年4月の任期満了に伴う市長選の不出馬を正式に表明した。

 不出馬決断の一因として、9月定例市会で0~2歳児に対し最大月額5万円相当のマイナポイントを給付する子育て生活応援事業(1億3009万円)が否決されたことを挙げ「ふるさと納税も含めて財政的にはかなり充実してきたが、その中で否決された。重く受け止めた」とした。

 後継指名については「私が辞めると言った段階」と述べ、明言を避けた。「今の路線を引き継いだり、将来展望に向けての豊かな感受性、発想を持った方に託したい」と話した。

 渕上氏は佐賀県出身、九州大学卒。東洋紡勤務、測量会社役員などを経て2007年から敦賀市議会議員を1期務めた。11年に敦賀市長選に出馬したが次点に終わり、15年は新人同士の一騎打ちを制し初当選。19年は元市議の新人と一騎打ちとなり、701票差で再選を果たした。全国原子力発電所所在市町村協議会(全原協)会長も務めている。

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