三浦一族ゆかりの史跡、来訪者が増 記者が城跡周辺を歩く 歴史ロマンたっぷり

三浦一族について話す山城ガールむつみさん(左)=衣笠城跡

 NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で主要登場人物として描かれ、三浦半島一円を統治した三浦一族のゆかりの史跡を訪れる人が増えている。特に人気なのは居城「衣笠城跡」(神奈川県横須賀市衣笠町)周辺。同市出身で三浦一族の歴史を伝える活動をしている「山城ガールむつみ」さん、衣笠商店街(同市衣笠栄町)の人たちとともに城跡周辺を記者が歩いた。天守閣や城壁のない山城には、歴史ロマンがたっぷり詰まっていた。

 「大河ドラマの放送が始まってから、お客さんとの会話に三浦一族という言葉が増えた」。そう話すのは同商店街振興組合の佐々木康晴副理事長。主人公北条義時の盟友三浦義村や、そのいとこの和田義盛ら三浦一族について知ろうと、むつみさんを講師に招いて衣笠城跡を歩く「フィールドワーク」を開き、記者も参加した。

 約15人の参加者が訪れたのはJR衣笠駅から徒歩20分ほどの住宅街。マンションが立つ斜面にはかつて三浦一族の山城「小矢部城」があった。むつみさんは「水上交通と街道を見張る役割があった」と解説する。

 さらに20分ほど歩いていると、民家の庭には竹やぶが多いことに気付いた。むつみさんは立ち止まり、「弓矢作りに使われたササの一種『ヤダケ』。壇ノ浦の合戦で三浦一族はここの竹で作った矢を放っていたかもしれません」と説明する。

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