神奈川・三浦の小学校、段階的統廃合に変更 市が教育ビジョン見直し方針

三浦市役所

 三浦市教育委員会は21日の市総合教育会議で、小学校の統廃合を盛り込んだ「学校教育ビジョン」の見直し方針を明らかにした。必要な学校規模を維持するため段階的な統廃合を進めることや、通学路の安全確保に向けた具体策を提示することが盛り込まれた。見直し案は2022年度中にまとめる予定。

 19年8月に策定した同ビジョンは、小学校を8校から3校に統廃合して1中学校区1小学校とする内容。しかし、議会や市民の反発もあって見直し作業に時間を要し、当初目指していた25年度の一斉統廃合は困難な情勢となっている。

 一方で一部の学校は小規模校化が進み、二つ以上の学年で構成する複式学級の設置も想定されている。これらの現状を踏まえ、市教委は方針を転換する。

 統廃合に向けては、6月に実施した保護者対象のアンケート結果を基に市教委は「登下校の安全確保が最大の課題」と分析。今後はスクールバスの運行や保護者の経済負担削減などの具体策を明示することで保護者らの不安解消を図る。

 廃校となった後の施設利用については、市民の意見も反映しながら検討していく。同会議で吉田英男市長は「施設は市の財産。財源の問題もあり、オール市役所で活用策を検討していきたい」と見解を示した。

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