病床使用率50%超で神奈川県知事 コロナの対策強化宣言「即座に出す状況にない」

黒岩祐治知事(資料写真)

 新型コロナウイルスの感染拡大で神奈川県内の病床使用率が50%を超えたことを巡り、黒岩祐治知事は22日の定例会見で、都道府県の判断で発令できる「対策強化宣言」について「即座に宣言を出す状況にはない」との見解を示した。

 県の病床使用率は21日時点で50.23%で、9月12日以来の50%超えとなった。政府は流行「第8波」対策として、病床使用率が50%を超えるなど医療の逼迫(ひっぱく)が懸念される状況になった場合、都道府県が対策強化宣言を出して、混雑した場所などへの外出自粛を求めることができるようにした。

 知事は「病床使用率だけで機械的に判断するのではなく、社会経済活動の状況などを勘案して総合的に判断する」と説明。水際対策の緩和でインバウンド(訪日客)を迎え入れている状況などを踏まえ「行動を制限するようなことをお願いしても納得を得られず、いい結果にはならない」と述べ、基本的な感染防止対策の徹底を呼びかけた。

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