知人と電話の直後…仕事道具で殴られ放火されたか 焼死の社長に骨折痕 朝霞放火殺人、容疑の男2人送検

事件の現場。窓が割れ、焼けた内部の様子が分かる=5月23日午前、朝霞市上内間木

 埼玉県朝霞市上内間木の内装会社「長葭(ながよし)内装」で5月、事務所兼作業場が全焼し、社長の男性=当時(43)=が殺害された放火殺人事件で、逮捕された仕事仲間の男2人が、火を付ける前に男性を工具で殴ったとみられることが捜査関係者への取材で分かった。

 殺人と現住建造物等放火の疑いで逮捕、送検されたのは内装業の男(37)=小川町小川=と元内装工の無職の男(31)=越谷市南越谷1丁目。捜査関係者によると、遺体の傷の形状や現場の状況などから、内装工事などで使用する細長い工具で殴打した可能性が高いという。男性の上半身には複数の骨折痕があった。暴行を加え、動けなくなった後に火を放ったとみられている。

 男性が被害に遭ったとみられる時間帯の直前に仕事関係者の男性と携帯電話で数分間、業務の話をしていたことも判明。直後の午前9時50分ごろ、通行人が建物からの煙を目撃し、119番していることから、捜査本部は内装業の男らが数分の間に犯行に及び、現場から逃走したとみて調べている。

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