50年以上生きた? 珍魚にベテラン漁師もびっくり 淡水魚ソウギョ、福井県若狭町の菅湖

ソウギョを捕獲した田辺春雄さん=11月10日、福井県若狭町(宮本康研究員提供)

 中国原産の淡水魚ソウギョがこのほど、福井県若狭町の菅湖で捕獲された。体長1.2メートル、重さ20.2キロで、既に死んでいたという。今年1月にも三方湖で水揚げされており、地元漁師らは「続けて見つかるのは珍しい」と話している。

 ソウギョはコイ科で中国では養殖が盛んな食用魚。繁茂したヒシを駆除するため1968、69年に三方湖で約4千匹が放流されたことがあるという。

⇒【写真】今年1月に三方湖で水揚げされたソウギョ

 ただ、ソウギョの寿命は15~20年で、浮遊卵のため国内では関東の利根川水系など長い河川でしか繁殖できない。今回の個体が50年以上生きたのか、繁殖したものか分からないという。福井県里山里海湖研究所の宮本康研究員(54)は、魚の生きた年数が分かる耳石の採取を試みたが「できなかった。また捕獲されれば調べたい」と話した。

 捕獲したのは海山漁協のベテラン漁師、田辺春雄さん(80)で、今月10日に刺し網漁でかかった。刺し身や塩焼きで振る舞われ、食べた50代男性は「コリコリで他の魚にはない食感。臭くない」「火を通すと肉みたいでおいしい」とした。

 ソウギョは今年1月にも三方湖で12年ぶりに捕獲された。

© 株式会社福井新聞社