あわら温泉街に店主がいない酒場オープン 挑戦したい人に日替わりで店提供、地元民と旅人つなぐ場所へ

11月23日オープンの「ROOMS&温泉5丁目酒場」=11月20日、福井県あわら市温泉5丁目

 あわら温泉街に来た旅行客と地元民が気軽に交流ができる、“つながる空間”酒場が11月23日、福井県あわら市温泉5丁目にオープンした。市内のまちづくり有志4人による企画で、特定の店主は置かず、酒場をやってみたい人に店を提供、日替わり店主として商いの経験を積んでもらうユニークな酒場。4人は「あわらを訪れた旅人が、地元ならではのディープな観光情報に触れてもらえたら」と話している。

 店名は「温泉5丁目酒場」で、企画したのは、市内でイベント企画や悩みごと相談を営む坂之上将一さん(45)をはじめ、観光農園業や旅館経営者ら30~40代の異業者仲間の4人。店は温泉街の一角にあり、空き家1階部分を改装、約百万円の改装費は4人で調達した。温泉街に泊まる観光客は多いが、街を歩いて魅力を体感してもらう場がないと、空き家を借りて活用することにした。

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 店の店主は当面は坂之上さんが務めるが、基本、日替わりで担当してもらうシステム。飲食店経営を希望する人らの「チャレンジショップ」としても活用する。さらに入店者には自己紹介をして名札を付けてもらい、同じ空間を共有する。酒だけでなくスペアリブやチーズ、ピザなどの軽食のメニューも用意。メンバーが近くで営業するワインバーや焼き肉店の出前もできる。打ち解けやすいように「ジェンガ」や「黒ひげ危機一発」などのパーティーゲームも用意する。

 昼は団体向けフリースペースとして貸し出す。英会話や編み物の教室、eスポーツの大会、各種講座などの利用を想定している。

 坂之上さんは「人と人が出会い、心の豊かさを手にできる場所にしたい。観光雑誌には載っていないようなあわらの情報を提供できる場にしていきたい」と意気込んでいる。

 営業時間は、温泉5丁目酒場が午後7時~翌日午前1時。昼間(店名ROOMS)は午前9時~午後5時の間で、賃料は1時間1500円。問い合わせは、温泉5丁目酒場&ROOMS=電話090-2633-5500。

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