ヴァイオリン奏者の庄司紗矢香、新作制作エピソードを語る映像公開

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ヴァイオリン奏者の庄司紗矢香が、ピアニストのジャンルカ・カシオーリと再びタッグを組んだ新作『モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ集 VOL. 1』の制作経緯を語るインタビュー・ビデオを公開した。

<YouTube:庄司紗矢香/ジャンルカ・カシオーリ『モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ集 VOL. 1』(インタビュー)

イタリア・モンドヴィの教会「Sala Ghislieri」での録音時に撮影された映像の中で庄司は、今回のレコーディングで採用した楽器セッティングについて次のように語っている。

「18世紀当時に一番近い製造法で作られた裸のガット弦と、クラシックの弓を使用して弾いています。私は決して、古楽器やガット・ストリングのセッティングが、インタープリテーションの正当性に繋がるとは思っていません。あくまでも、色々な教科書を学んでいくうちに、実際にその美学とロジックをさらに追求していきたいと思って、最終的な段階で決めたことです」。

そして新作の成果について、「今回は特に、モーツァルトの劇的であり感情的なコントラスト、そして、隠された深い悲しみ、またルバートとアンサンブルのズレの観念を深めていけたと思っています。ジャンルカとアイデアを出しながら、装飾音やカデンツァを作っていきましたので、一回一回が繰り返すことのできないものとなっています」と話す。

一方、レコーディングに全編フォルテピアノで臨んだジャンルカ・カシオーリは、次のように語る。

「今回の録音で使用しているのはヴァルターのフォルテピアノで、1805年頃のモデルでモーツァルトが晩年の10年間に使っていたものに近い。この楽器の特性はとても興味深く魅力的で、その音を通してモーツァルトの音楽の特徴を理解することができるのです」。

古典派の当時の楽器セッティングを踏襲しているものの、決して懐古的ではなく、モーツァルトの音楽を表情豊かに、いま生まれるものとして伝えることを主眼として制作されており、庄司&カシオーリ・コンビの新境地を示す完成度となっている。

庄司とカシオーリは12月1日の京都公演を皮切りに、7年ぶりとなるデュオ・リサイタル・ツアーを全国8ヶ所で開催。ツアーでは二人ともレコーディング同様の楽器セッティングで臨み、新作収録曲も披露される。

■商品情報

庄司紗矢香/ジャンルカ・カシオーリ
『モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ集 VOL. 1』
2022年11月16日(水)発売
限定盤(SA-CDハイブリッド):UCGG-9213 ¥4,730(税込)
通常盤(UHQ-CD):UCCG-45064 ¥3,300(税込)
CD購入・デジタル配信はこちら→https://sayakashoji.lnk.to/mozartPR

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