LRTが脱線後初の走行調査 速度と横振れの関係解析【動画】

脱線事故を受けて実施されたLRTの走行調査=25日午後2時半、宇都宮市下平出町

 試験運転中に発生した次世代型路面電車(LRT)の脱線事故で、宇都宮市と運行会社の宇都宮ライトレールは25日、事故後初めての走行調査を実施した。これまでの試運転にはない追加された調査で、車両に振動加速度計を積載して速度と車両の横ぶれの関係を解析していく。

 報道関係者に公開されたのは同市下平出町の車両基地に近い平石停留場付近の約160メートル区間。分岐器のある緩いカーブを車両が時速5キロ以下で5往復した。

 公開時は上り線を往復する動作のみ。分岐器を使って上下線を交差する動作は行われなかった。車両には10人ほどの作業員が乗り込み、外では約20人の作業員がレールと車輪の接触状況を確認するなどしていた。

 26日未明からは、平石停留場と脱線事故の現場となった宇都宮駅東口停留場付近までの約4キロを、振動加速度計でデータを取りながら低速走行する。脱線事故時に行われた下り線から上り線へ分岐器を使って入線する動作は行わない。

 脱線時のドライブレコーダーの記録では、車両が進行方向に対して左右に横ぶれしているのが確認されている。現地調査した2人の専門家からは、速度と横ぶれの関係を解析するよう求められていた。

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