脂の乗り太鼓判…山里の冬の味覚「ぼたん鍋」イノシシ入荷 福井県おおい町の料理旅館、寒さ増せばさらに味わい深く

ボタンの花のように盛り付けられたイノシシ肉=11月25日、福井県おおい町名田庄久坂の料理旅館「新佐」

 11月に入りイノシシのわな猟、銃猟が解禁され、福井県おおい町名田庄地区の料理旅館などで冬の風物詩「ぼたん鍋」に使われるイノシシの入荷が始まった。旅館では「脂がしっかりと乗っている」と旬の味に太鼓判を押している。

 ぼたん鍋は、イノシシ肉や野菜をみそなどで味付けして煮込んだ鍋料理。薄切りにした肉をボタンの花のように盛り付けることから呼び名が付いたとも言われている。

 同町名田庄久坂の料理旅館「新佐」では、25日までに2、3頭のイノシシを入荷した。イノシシが食べるドングリなどのエサが豊富なことから脂の乗りが良く「寒さが増す12月ごろにかけてさらに脂が多くなる」と同旅館の栗原正夫さん(74)は期待を寄せる。

 見た目は豚肉に似ているものの、臭みもなく甘みのある深い味わいが特徴。2ミリほどの厚さにスライスした肉を、キノコや白菜などの野菜類、自家製みそと一緒に提供している。販売用のぼたん鍋セットも県内を中心に注文が入り始めており、栗原さんは「みそに溶け込んだシシ肉をぜひ味わってみてほしい」とPRしている。

 県内のイノシシ猟は、銃猟が来年2月15日、わな猟が3月31日まで。

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