金田一ファン 3年ぶり真備に集結 横溝生誕120年 仮装で聖地巡る

金田一耕助に扮し、倉敷市真備町地区に向かう一行

 作家横溝正史(1902~81年)の作品に登場する人物に扮(ふん)してゆかりの倉敷市真備町地区一帯を歩く「1000人の金田一耕助」が26日、行われた。新型コロナウイルスの影響で3年ぶり。全国のファン100人が、生誕120周年というメモリアルイヤーの“聖地”巡りを満喫した。

 羽織はかまにソフト帽姿の名探偵金田一をはじめ、白いマスクをかぶった「犬神家の一族」の佐清(すけきよ)らに仮装して集結。金田一の初登場シーンで描かれたJR清音駅(総社市)を出発し、横溝が太平洋戦争時に暮らした疎開宅(倉敷市真備町岡田)を経て、真備ふるさと歴史館(同所)まで約5キロを歩いた。

 真備町では、岡田地区まちづくり推進協議会のメンバーらが、同町が舞台の「本陣殺人事件」の三本指の男や、「八つ墓村」の濃茶の尼に扮した寸劇を披露し、「たたりじゃー」と尼の名ぜりふを叫ぶなど盛り上げた。

 東京から夫婦で3年ぶりに参加した会社役員男性(66)は「おめでたい年に横溝の世界観を堪能できた。西日本豪雨からの真備の復興も実感した」と話していた。

 「巡(めぐる)・金田一耕助の小径(こみち)」(倉敷市などの実行委主催)のメイン企画として2009年から開催。20、21年はコロナ禍で中止した。

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