「まちびらき」華やかに 門出祝い式典やイベント JR宇都宮駅東口地区【動画】

LRT見学会などのイベントでにぎわったJR宇都宮駅東口地区=26日午後1時30分、宇都宮市宮みらい

 新たな施設が次々とオープンしているJR宇都宮駅東口地区の「まちびらき記念式典」が26日、交流拠点施設「ライトキューブ宇都宮」で行われた。施設内外ではLRT(次世代型路面電車)見学会など多彩なイベントが催され、新たな「まち」の門出を華やかに演出した。同地区の整備事業が動き出してから約20年。事業を進める企業グループの撤退で白紙に戻って頓挫しかけたこともあったが、実を結んだ。後はこの場所を発着点とするLRTの来年8月開業を待つばかりとなった。

 記念式典には関係者234人が出席。主催者を代表して宇都宮市の佐藤栄一(さとうえいいち)市長は「宇都宮の歴史に新たなページが加わった。これからは『造る』から『使う』のステージに移行する」と高らかに宣言した。

 佐藤市長の前任市長だった福田富一(ふくだとみかず)知事は、来賓祝辞で「私もこの場所を何とかしたいと努力したが、時代にはねつけられた」と感慨深そうに振り返り「この場所を県内の他の市町にも使わせてほしい」と佐藤市長に呼びかけた。

 全体のデザインを監修した建築家の隈研吾(くまけんご)さんも式典に駆け付けた。新幹線とLRT、コンベンション施設、ホテル、ショッピングなどさまざまな機能をネットワーク化させたことを挙げ「ヨーロッパにもない、コロナ後の新しいモデルが完成した」と評価した。

 JR宇都宮駅東口地区整備事業は整備面積約2.6ヘクタール。コンベンション施設、ホテルと商業施設が入る複合施設、マンションや高度専門病院などで構成する。野村不動産を代表企業とする企業グループ「うつのみやシンフォニー」が整備を進めた。タイの高級ホテルが入居する複合施設も建設される予定だったが、現時点で目途は立っていない。

© 株式会社下野新聞社