造山古墳 新発見「板石」に熱視線 岡山、現場説明会で県内外ファン

出土した板石に注目する見学者

 竪穴式石室の部材と考えられる板状の石が確認された巨大前方後円墳・造山古墳(岡山市北区新庄下、国史跡)で27日、発掘する岡山市教委が現場説明会を行った。未確認だった埋葬施設の現存を期待させる発見とあり、県内外から大勢の考古ファンが訪れ、古代吉備の歴史ロマンに思いを巡らせた。

 10月中旬に始まった調査では初めて後円部墳頂を発掘し、一辺40センチ前後の平らな板石6個を確認した。石材は古代吉備の大型古墳の石室に多く用いられた香川県産の古銅輝石安山岩とみられている。

 現場には県内をはじめ関西や四国などから約400人が詰めかけた。文化財課の職員が「石室本体や周辺の構造物など、何らかの埋葬施設に伴うとみられる」などと解説し、見学者は試掘溝の中に並ぶ板石を熱心にのぞき込んでいた。古墳斜面から出土した葺石(ふきいし)や、戦国時代に築かれた城のものとみられる柱穴も注目を集めた。

 津山市の男性(70)は「板石の正体が何か、石室が本当に残っているのか。わくわくしますね」と話した。

 今回の発掘は12月中旬まで。来年度も予定しており、試掘溝を西南方向に広げる計画。

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