このあとスペイン代表とのビッグマッチを控えているドイツ代表チーム。
ドイツ代表といえば、ワールドカップで最も印象的なのが2014年ワールドカップの準決勝ブラジル戦。ホスト国を相手になんと7-1というとんでもない勝利を奪った。
今回はその際のドイツ代表のメンバーを振り返ってみよう。
マヌエル・ノイアー
当時のクラブ:バイエルン・ミュンヘン
現在のクラブ:バイエルン・ミュンヘン
この試合では、シュート数自体はブラジルとドイツが拮抗していた。むしろブラジルのほうが1本多かったのだが、それを感じさせないほどにノイアーの集中力は切れなかった。
30代になってから一時は怪我で長くプレーできない状況となり、もはやノイアーもこれまでか…と思わせておいて見事に復帰。かつてのパフォーマンスを完全に取り戻し、現在もドイツ最高の守護神である。
DF:フィリップ・ラーム
当時のクラブ:バイエルン・ミュンヘン
現在のクラブ:引退
フリッツ・ヴァルターやフランツ・ベッケンバウアー、ローター・マテウスの系譜を継ぐドイツ代表の偉大なキャプテン。2017年に惜しまれながらも30代前半で現役引退した。
その後はサッカー界で働いており、ドイツのEURO2024誘致活動においてマネージングディレクターやアンバサダーを務めており、2年後の大会に向けて大きな役割を果たしている。
DF:ジェローム・ボアテング
当時のクラブ:バイエルン・ミュンヘン
現在のクラブ:リヨン
2011年に加入したバイエルン・ミュンヘンで現代的センターバックとして成長を見せたボアテング。このワールドカップでは7試合に出場し、そのうち4試合を無失点で抑えた。
この大会の後も代表で重要な存在になっていたが、2019年にヨアヒム・レーフ監督から突如戦力外通告を受けて代表から離れることになった。また、昨年バイエルンを離れてリヨンへと移籍している。
DF:マッツ・フンメルス
当時のクラブ:ボルシア・ドルトムント
現在のクラブ:ボルシア・ドルトムント
バイエルン・ミュンヘンで育ったものの、香川真司らとともにボルシア・ドルトムントで大ブレイクしたセンターバック。ドイツ代表にも定着し、この大会ではFIFAのゴールデンボール賞(大会MVP)候補10名に入るほどの活躍を見せた。
2019年には前述のジェローム・ボアテングとともにヨアヒム・レーフ監督から戦力外通告を受けたものの、2021年にEURO2020で代表復帰。ただ、今回のワールドカップではメンバー入りを逃している。
ベネディクト・ヘヴェデス
当時のクラブ:シャルケ04
現在のクラブ:解説者
ヘヴェデスは2014年ワールドカップのドイツ代表で全ての試合にフル出場した4名の選手の一人。最終ラインの中央でも左でもプレーできる強みを活かし、欠かせない戦力となっていた。
30歳のときにシャルケを離れてユヴェントスに移籍するも、その後負傷の連鎖によってほとんどプレーできず。2018年にロシアのロコモティフ・モスクワに移籍し、そして2020年に家族の理由でドイツへ帰国。32歳という若さで現役を離れた。現在はAmazon PrimeやSkyの解説者。
MF:サミ・ケディラ
当時のクラブ:レアル・マドリー
現在のクラブ:解説者
このブラジル戦で5点目を決めたサミ・ケディラ。レアル・マドリーでは数ヶ月前にチャンピオンズリーグ優勝を果たしており、未だ史上4人しかいない「同じ年にCLとW杯を制覇した」選手である。
大会の翌年にレアル・マドリーからユヴェントスへと移籍し、2018-19シーズンに心臓の病気が発覚したりと不運もあったものの一定の活躍を見せた。2021年にヘルタ・ベルリンへ移ったあとで現役引退し、解説者に転身している。『ARD』のコメンテーターとして、日本に敗れたドイツ代表にはかなりの苦言を呈していた。
MF:バスティアン・シュヴァインシュタイガー
当時のクラブ:バイエルン・ミュンヘン
現在のクラブ:解説者
バイエルン・ミュンヘンでアタッカーからボランチに魔改造されてさらに素晴らしいサッカー選手となったシュヴァインシュタイガー。このワールドカップの決勝では歴史に残るようなパフォーマンスを見せ、優勝に貢献した。
2015年夏にマンチェスター・ユナイテッドに移籍したあとは選手としてキャリアが急降下してしまい、怪我もあってなかなか活躍できず。最後はアメリカでプレーして2019年に引退した。現在はサミ・ケディラとともに「ARD」のコメンテーター。
MF:トーマス・ミュラー
当時のクラブ:バイエルン・ミュンヘン
現在のクラブ:バイエルン・ミュンヘン
このブラジル戦で大量ゴールの口火を切る先制点を決めたのがトーマス・ミュラーだった。コーナーキックからマークを外し、トーニ・クロースのキックを合わせた。
2019年にジェローム・ボアテング、マッツ・フンメルスとともに戦力外通告を受けたものの、2021年にしれっと復帰。EURO2020にも出場し、今回のワールドカップでももちろんメンバーに入っている。
MF:トーニ・クロース
当時のクラブ:バイエルン・ミュンヘン
現在のクラブ:レアル・マドリー
今やあまりイメージにないかもしれないが、このときはまだバイエルン・ミュンヘンに所属していたクロース。11分にミュラーの先制点をアシストした他、2ゴールを決めるなどして大量点の立役者になった。
そしてこの夏にレアル・マドリーへと移籍し、スペインでもさらに成長。ドイツ代表からは昨年引退したものの、現在も世界屈指のボランチとして一貫性あるプレーをし続けている。兄とやっているポッドキャストでのトークも常に話題。
MF:メスト・エジル
当時のクラブ:アーセナル
現在のクラブ:引退
2010年のワールドカップで名を上げてレアル・マドリーに移籍したエジル。その後アーセナルへと加入し、プレミアリーグ屈指の司令塔としてブレイクした。この試合ではケディラのゴールをアシストしている。
2018年のワールドカップで敗退した後、エジルは突如ドイツ代表からの引退を宣言。ルーツを持つトルコのエルドアン大統領と写真を撮ったこともあって政治的なバッシングを受け、差別的な扱いをされたと訴えていた。彼は今、ドイツ代表がカタールの人権状況に抗議しているのをどう見ているのだろうか…。
FW:ミロスラフ・クローゼ
当時のクラブ:ラツィオ
現在のクラブ:引退
ワールドカップの歴史上最多得点者(16点)として名を残すクローゼにとって、最後の大会であった。このブラジル戦では23分に2点目を決めており、彼にとってはこれがワールドカップにおける最後のゴールであり、歴史を作ったシュートであった。
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すでにこの大会時に30代後半であった彼は、2016年までラツィオでプレーした後現役引退。バイエルン・ミュンヘンでユースコーチやアシスタントコーチを務めたあと、今年からオーストリア1部のラインドルフ・アルタッハで監督に就任している。