来年1月に特別公開 神奈川・海老名市、「高札」8点を市登録有形文化財に初登録

明治政府が出した禁止令「五榜の掲示」が書かれた高札(海老名市教委提供)

 神奈川県海老名市教育委員会は24日、法令などを人々に周知するために使われた近世・近代の「高札」8点を市登録有形文化財に登録したと発表した。同文化財の登録は、2019年4月に制度を設けて以来初めて。

 高札は、法令などが墨書きされた板で、庶民に知らせる目的で人目につきやすいところに設置された。登録の対象は、市立歴史資料収蔵館(同市河原口)の7点と、正覚寺(同市門沢橋)が所有する1点。現在の市域にあった門沢橋村、中新田村、国分村で江戸期から明治期に使われていたという。

 明治政府が出した禁止令「五榜の掲示」や、放火犯や盗賊などを役所に差し出すよう呼びかけた高札などがある。担当者は「当時の村の様相を知ることができる貴重な歴史的資料」と評価している。

 市登録有形文化財登録を記念し、市郷土資料館「温故館」(同市国分南)で来年1月8~22日、高札を特別公開する予定。

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