秋葉氏と杉田氏、与野党から退場論 「交代2枠あるぞ」のヤジも 河野氏は質問〝ブロック〟

河野太郎氏(資料写真)

 与野党の攻防が激しさを増している国会で28日、岸田文雄首相が出席して衆院予算委員会が開かれた。当初は脱税疑惑に選挙違反疑惑も浮上した秋葉賢也復興相とマイノリティー批判寄稿を撤回しない杉田水脈総務政務官の任命責任や、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡る被害者救済法案を巡って首相が集中砲火を浴びると予測されたが、河野太郎消費者担当相(15区)ら関係閣僚が答弁に割って入り“ブロック”。野党の質問時間浪費を招く守備戦術に、委員会室には「レッドカードだ」「時計を止めろ」と怒号が響いた。

 政府与党サイドの救済法案の内容の不備や閣僚更迭を迫った予算委論戦では、激しいヤジが交錯。複数の委員によると、質疑のやりとりすらかき消されがちな騒ぎの中で、ぼやきまじりのヤジも飛んだという。

 「交代2枠あるぞ!」

 サッカーW杯で1試合の選手交代枠は5人まで。今国会では山際大志郎前経済再生担当相、葉梨康弘前法相、寺田稔前総務相の3人が事実上更迭された。ヤジの真意はW杯を引き「あと2人は交代可能」との意味合い。「野党の皮肉か与党の本音か分からない」(与党委員)が、「秋葉復興相と杉田政務官の退場を迫ったものらしい」(同)。与野党双方で2人の退場論が広がっているようだ。

 立憲民主党の西村智奈美氏は政府与党の被害者救済法案の実効性などを首相に問うたが、そのたびに河野氏が「さまざま想定される事態に対処できる内容だ。懸念はあたらない」などと説明。首相は「大臣の言う通り」と河野氏の説明をなぞる答弁を繰り返した。

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