LINEの接触確認システム 神奈川県が運用停止へ 80万超の登録も通知実績ゼロ

「LINEコロナお知らせシステム」の専用QRコード

 新型コロナウイルス感染者と濃厚接触した可能性がある人に無料通信アプリ「LINE(ライン)」を活用して通知する神奈川県のシステムについて、県は運用を停止する方針を決めた。飲食店やイベント会場などで感染者の周囲にいた人への注意喚起を想定したシステムだったが、これまでの通知実績はゼロだった。

 停止するのは「LINEコロナお知らせシステム」。飲食店やイベント会場、事業所などに提示された専用のQRコードを利用者がスマートフォンで読み込み、訪問日時などを登録。店内や会場内で感染者が出た場合、保健所からの連絡を受けて県が濃厚接触の可能性がある利用者に通知する仕組みで、2020年5月から運用を始めた。

 これまでに約15万6千カ所がQRコードを掲示し、利用者から約80万8500件の登録があったが、県から通知したケースはなかった。

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