美作の高照峰山頂 住民が広場整備 雄大な眺望 ツリークライミングも

新設された広場でツリークライミングを楽しむ子どもたち

 美作市大原地域の住民でつくる「ふるさとの山・山道等を整備する会」は、古町の高照峰(こうしょうぼう)(655メートル)山頂周辺に広場を新設した。雄大な眺望とともに、大木にロープをかけて登るツリークライミングを楽しみ、市民や登山客に地域の自然を体感してもらう。メンバーは「かつての自分たちのように山で遊んでほしい」と期待する。

 子どものころに山登りなどを楽しんだ地域の山々を再び人が集う場所にしようと、住民10人が2019年、整備する会を結成した。今年5月、高照峰を管理する「おかやまの森整備公社」(津山市)が、間伐材を運ぶ作業道を頂上手前まで造ったことを受け、整備する会が経費を負担して業者に依頼し、頂上までの残り約200メートルの登山道を整備。頂上の木をメンバーで切り倒すなど9月に広場(約2千平方メートル)を完成させた。

 10月には、小学生を対象としたツリークライミングの体験会を初めて開催。市内外の児童約20人が参加し、愛知県の愛好家団体「ツリークライミングジャパン」の講師から、体を支えるハーネス(胴輪)やロープの扱い方などを教わり、全身を使って木登りを楽しんだ。

 大原小2年男子(8)は「下を見ると少し怖かったけど、楽しかった。登った所から見る景色がきれい」と笑顔だった。

 ツリークライミングは指導者の付き添いが必要なため、普段は遊べない。整備する会は随時、体験会を開く予定。月見伊津夫会長(69)=美作市=は「子どもたちの笑顔を見られてうれしい。特に地元の子たちに自然の魅力を感じてもらえれば」と話す。

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