「なつお」の挑戦 滝澤夏央選手の活動報告〈7〉契約更改で決意新たに

 11月28日に来季の契約を更改した滝澤夏央。更改後の記者会見では「この1年はあっという間でした。自分としては満足のいく内容ではありませんでしたが、5月に支配下選手になり、プロ野球選手としてスタートラインに立てたこと、1軍の試合に出場したことで得た課題もあって、いろいろな経験ができたことは自分にとってプラスになりました」と振り返った。

撮影用に、たすきに来季の意気込みを記した滝澤(球団提供)

 滝澤にとって今シーズン最も印象に残っている試合といえば、支配下選手に登録をされた当日と翌日の試合。2日連続のお立ち台でヒーローインタビューを受けた。ただ、自分に厳しい滝澤は課題に目を向け、シーズン後半に帰塁ミス(※)で延長戦にもつれこんだ試合について、「あの試合のことは忘れません」と目つきを変えた。
 11月20日まで秋季キャンプが所沢市内で行われていたが、打撃では振る力、守備では安定感、走塁については帰塁と状況判断というそれぞれに目的を持って取り組み、「しっかり自分を追い込むことができました」と手応えを感じている。「きょう状態が良くても、あすも良いか分からない中で、プロはほぼ毎日試合があります。次ミスをしたら意味がないというプレッシャーとの戦いという面でも先輩たちはすごいなと感じました」と、1年目だからこそ感じた壁についても話す。
 このオフは同じショートを守る源田壮亮に〝弟子入り〟する予定で、守備の全てを盗む気持ちでいる。シーズン中、ミスをした滝澤に「誰だってミスするよ。一つのミスは気にしないで、また次あるんだから、全然気にしなくていいんだよ」と言ってもらったことは、滝澤をもう一回り強くする言葉になったという。体の小さい滝澤だが、「この体でなんとかやり切れたので、大きくすることは意識せず、オフの間に軸を強くすることを重点的に取り組みたいです」と話した。

契約更改後、会見に応じる滝澤(同)

 帰郷を楽しみしていた滝澤は「まずは応援してくださった皆さんに、あいさつ回りに行きたいです。あとはラーメン屋さんにも行きたいですね。12月中は動ける体を作って、1月に源田さんに会った時に恥ずかしくないように、しっかりバットを振り込んでおきたいと思います」と笑顔を見せた。
 あの小さな背中が2カ月後にはどれだけ大きくなっているだろうか。プロ野球のオフシーズンならではの楽しみの一つである。
 ※10月1日(対ソフトバンクホークス戦)、同点で迎えた九回裏に代走で出場した際、けん制でアウトになってしまった試合。最後は延長十一回、山川穂高のサヨナラ2ランで勝利
 (西武ライオンズ広報部)

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