新世代カマロvsマスタング対決の2023年カレンダー発表。ホールデン最終戦は特別仕様に/RSC

 12月1~4日の週末より、かつてはF1も開催された有名な市街地コースで争われる第13戦『ヴァロ・アデレード500』の開催を控えたRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップだが、この最終戦アデレードは、シリーズの歴史において長きに渡る栄光を築いてきた伝統のブランド『ホールデン』最後の1戦となる。

 そんなシリーズにおける象徴的マニュファクチャラー最後のレースに敬意を表し、陣営内でファクトリーチームを務めるトリプルエイト・レースエンジニアリングと、かつてのワークス指定チームだったウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドが、ともに“ホールデン・トリビュート・カラー”の特別仕様コモドアZBを披露した。

 そのホールデンの名が同じくGM(ゼネラルモータース)傘下のシボレーへと置き換わり、新車両規定“Gen3”に則して製作された『シボレー・カマロZL1スーパーカー』と、第7世代『フォード・マスタング・スーパーカー』が相対する、全12戦の2023年カレンダーもアナウンスされている。

 シリーズにとって特別な意味を持つ2022年フィナーレに向け、今季もチームズタイトルを獲得したレッドル・アンポル・レーシングとして参戦のトリプルエイト陣営は、オールホワイトのデザインに『ホールデン』のロゴとバッヂを強調した新鮮なカラースキームを採用。近年、スーパーカーで陣営のカラーリングのほとんどを手掛けてきたピーター・ヒューズによってデザインされた。

「微妙な透かしのある純白のデザインは、前代未聞というわけでなくチームと一緒にアイデアを暖めてきたものなんだ」と明かしたヒューズ。

「これまでは機会に恵まれなかったが、こうして『ファイナル・トリプルエイト・ホールデン』のカラーリングを実行する機会が訪れたとき、このテーマが真にユニークなトリビュートとして、完璧に機能することはわかっていた。全体的な感触としてチームのDNAを踏襲するカラーリングでありつつ、ホールデンの最後を祝う上品なひねりも加えているよ」

 2010年にフォード陣営からホールデンにスイッチしたトリプルエイトは、現在チームのマネジメント職を担う“セブン・タイムス・チャンピオン”ことジェイミー・ウインカップが、そのうち5回のタイトルを獲得。さらに前戦で自身3度目の王座を獲得した“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンも、そのすべてをトリプルエイトとともに手にしており、この最終戦の週末では特例措置として早くも“No.1”を背負ってレースを戦う。

 さらにブランド通算189勝のうち、シリーズ最大の祭典として国際的な注目度も高い“グレートレース”こと『バサースト1000』での6勝も記録しており、ウインカップはスーパーカーの歴史のなかで最も成功したホールデンのドライバーとして、通算91勝の金字塔も打ち立てている。

「こうして最後の週末に向け、今季のアデレード500の重要性を過小評価することは絶対にないね」と、昨季限りでフルタイムのドライブからは退いているウインカップ。

「ホールデンのバッジが、このホームレースで日曜ファイナルのフィニッシュラインを通過したとき、間違いなく心の琴線に触れるものがあるだろう。彼らとは多くの成功を分かち合ってきたし、今はホールデンの歴史と遺産を振り返り、その最後を祝福する時間だ」と続けたシリーズ最多勝記録保持者。

「それと同時に、新たなGen3規定の時代とシボレー・カマロの導入により、このスポーツの未来に対し、すべてのファンにワクワクして欲しいと願っている。トリプルエイト、ゼネラルモータース、そしてスーパーカーは、このプロジェクトを2023年の開幕に向け軌道に乗せるべく、過去3年間に渡って多大な努力を続けてきた。ここオーストラリアで、カマロとマスタングの新たなライバル関係が始まるのが、今から待ち切れない気分だ」

今季もチームズタイトルを獲得したレッドル・アンポル・レーシングとして参戦のトリプルエイト陣営は、オールホワイトのデザインに『ホールデン』のロゴとバッヂを強調した新鮮なカラースキームを採用した
「全体的な感触としてチームのDNAを踏襲するカラーリングでありつつ、ホールデンの最後を祝う上品なひねりも加えているよ」と、デザインを担当したピーター・ヒューズ
かつてはホールデン・レーシングチーム(HRT)の名を掲げて戦った現ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドも、チームの以前の役割に敬意を表するトリビュート仕様を公開した

■2023年投入“Gen3”初年度のカレンダーも発表

 一方、そのトリプルエイトがファクトリー指定を受けるまで、前任としてホールデン・レーシングチーム(HRT)の名を掲げて戦った現ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドも、チームの以前の役割に敬意を表するトリビュート仕様を公開した。

「我々としても、ホールデン最後のレースで何か特別なことをしたかった。この記念すべき最後の瞬間に、あの有名な“HRTライオン”をマシンのボディサイドに描いていなかったら、それは適切なことだと言えないだろう。非常に多くの人々にとって、それがどれほど意味があることかを知っているからね」と語るのは、チーム代表を務めるブルース・スチュワート。

「このチームは、ホールデンとともに非常に長い歴史を築いてきた。最後の歓喜のために、ファンと一緒に我々が歩んできた旅を振り返り、週末に可能な限り最高の方法でブランドを送り出すことを楽しみにしている」

 そして来季2023年より投入される新規定“Gen3”車両の初年度となるシーズンカレンダーも発表され、シリーズは2023年3月10~12日の『ニューキャッスル500』で新時代幕開けの日を迎える。

 今季限りでモータースポーツ会場としての役目を終えたプケコヘに代表される、隣国ニュージーランドの会場は、現時点でスケジュールに含まれていないものの、運営組織は「2024年以降に戻ることに焦点を当てている」ことを強調。今季同様11月の『アデレード500』で全12戦のフィナーレを迎える。

「第7世代『フォード・マスタング・スーパーカー』と『シボレー・カマロZL1スーパーカー』が実戦デビューを飾り、さらに『サンダウン500』の復活や、記念すべき60周年を祝うマーキー『バサースト1000』の開催など、2023年はこのスポーツの歴史のなかで最もエキサイティングなシーズンになるだろう」と、シリーズCEOのシェーン・ハワードも自信を見せる。

「3月のニューキャッスルが待ち切れないね。世界的な“スポーツカー・アイコン”である2台の登場は、レースの新しい章を始める素晴らしい方法だ。そして将来のイベントに向け、まだカウンターパートと漸進的な話し合いを続けているが、関係者全員が2024年以降に焦点を当てることも最善の利益になる。我々はニュージーランドに戻るつもりであり、新しい会場とのパートナーシップに関しては、新年にも発表できると確信している」

「この記念すべき最後の瞬間に、あの有名な“HRTライオン”をマシンのボディサイドに描いていなかったら、それは適切なことだと言えないだろう」とチーム代表のブルース・スチュワート
新車両規定“Gen3”に則して製作された『シボレー・カマロZL1スーパーカー』と第7世代『フォード・マスタング・スーパーカー』
2台の初対決は、2023年3月10~12日の開幕戦『ニューキャッスル500』が予定されている

■RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップ2023年カレンダー

ラウンド 開催日 開催地

Rd.1 3月10~12日 ニューキャッスル

Rd.2 3月30~4月2日 アルバートパーク

Rd.3 4月28~30日 ワネルー・レースウェイ

Rd.4 5月19~21日 シモンズ・プレイン

Rd.5 6月16~18日 ヒドゥン・バレー

Rd.6 7月7~9日 リードパーク市街地

Rd.7 7月28~30日 シドニー・モータースポーツパーク

Rd.8 8月18~20日 ザ・ベンド

Rd.9 9月15~17日 サンダウン

Rd.10 10月5~8日 バサースト1000

Rd.11 10月27~29日 サーファーズ・パラダイス

Rd.12 11月23~26日 アデレード市街地

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