待ちわびた「秩父の冬」 街中に響く屋台囃子、曳き踊りや屋台芝居華やかに 秩父夜祭・宵宮 きょう大祭

屋台で曳き踊る花柳・杵屋一門=2日午後2時ごろ、埼玉県秩父市上町

 日本三大曳山(ひきやま)祭に数えられる秩父神社の例大祭「秩父夜祭」(ユネスコ無形文化遺産)の前夜祭に当たる宵宮が2日、埼玉県秩父市内で行われた。豪華な彫刻や横幕で飾られた屋台が3年ぶりに曳(ひ)き回され、街中に響く屋台囃子(ばやし)の音色に多くの見物客が酔いしれた。

 本町、中町、上町の屋台3基は、午前に各収蔵庫を出発し、秩父神社への宮参りや、市街地を夜にかけて曳行(えいこう)。神社や街のつじなどでは屋台を止め、花柳・杵屋一門の少女らが長唄三味線に合わせて踊る「曳き踊り」を奉納した。張り出し舞台を付けた宮地屋台では、秩父歌舞伎正和会が屋台芝居を披露した。

 3日の大祭は、中近と下郷の笠鉾(かさぼこ)も加わり、一日中曳き回される。屋台芝居は午後0時半から、秩父神社境内で上演。午後7時半からは羊山公園で約5千発の花火が打ち上げられ、市役所前の御旅所に集結した6基の山車との豪華共演が楽しめる。

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