九州商船「佐世保-上五島」運賃値上げ 1月10日から、収支悪化で改定

来年1月10日以降の改定運賃・料金(片道)

 九州商船(長崎市)は5日、佐世保-上五島航路の高速船とフェリーの運賃を来年1月10日から引き上げると発表した。同航路の値上げは、消費税率改定時を除いて1993年以来29年ぶり。新型コロナ禍や原油高による収支悪化を受け、今年10月の長崎-五島航路に続いて改定する。
 高速船は、特急料金を含む片道の価格で佐世保-上五島は現行より420円高い5300円、有川-小値賀、有川-宇久平、小値賀-宇久平の各区間もそれぞれ約8%上げる。フェリーは、佐世保-上五島が現行より650円高い3030円、小値賀-宇久平が現行より130円高い590円にそれぞれ改定する。
 佐世保-上五島航路の高速船は、新型コロナ禍による利用者減少を受け、今年4月に特急料金を引き上げた。同社によると、秋以降は利用が回復傾向だが、コロナ禍前の7~8割程度にとどまり、本格的な改善に至っていない。
 同航路が国庫補助を受けている関係で、長崎-五島航路と長崎-有川航路で先行して値上げしたが、同社が運営する全航路での改定となった。国境離島島民割引運賃は変更しない。


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