「ママチャリ」で巡礼ツアー サラリーマン転覆隊300キロ走破! 五島にゴール

「巡礼ツアー」でゴールした本田さん(右から3人目)らサラリーマン転覆隊のメンバー=五島市、福江教会

 アウトドアグループ「サラリーマン転覆隊」隊長で環境マンガ家の本田亮さん(69)=東京=らメンバーが10、11月、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産などを巡る300キロ以上の「巡礼ツアー」を「ママチャリ」で走破。11月25日、五島市にゴールした。
 同隊は1988年、本田さんら大手広告代理店電通の社員などで結成。カヌーでの川下りから始まり活動を広げた。アウトドア誌「BE-PAL(ビーパル)」に連載。中年サラリーマンのメンバーが、厳しいテーマに挑みながら趣味を楽しむ様子が反響を呼んだ。
 ママチャリの旅は、四国のお遍路などに続いて5回目。親交のある五島市の門原淳一さんの提案で、世界遺産を巡りながらキリスト教の日本での歴史をたどる巡礼ツアーを企画した。
 起伏があり、途中雨風に見舞われたが「チームの連帯感が生まれた」と本田さん。8人が10月8~10日、南島原市の原城跡を出発し、長崎市の大浦天主堂などを経て、平戸市に到達。11月23~25日に同市の春日集落のほか、船を利用して五島列島の各島に点在する旧野首天主堂、頭ケ島教会、江上天主堂、旧五輪教会堂を巡り、五島市末広町の福江教会にゴール。達成感を味わいながら汗を拭った。
 各ポイントでは、地元の信者に話を聞いたり、案内板に目を通したりして迫害を受けながら信仰を守り抜いた歴史を学んだ。本田さんは「潜伏キリシタンの暮らしや、その苦労を知ったので伝えていきたい」と話した。


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