佐賀で鳥インフル 長崎県「最大限の警戒感」 移動、搬出制限や車両消毒

消毒ポイントに待機する県や東彼杵町の職員=東彼杵町坂本郷

 佐賀県武雄市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザの陽性が確認されたことを受け、長崎県は6日、発生農場の半径3キロ圏を移動制限区域に、半径10キロ圏を搬出制限区域に設定した。東彼波佐見町、東彼杵町、佐世保市に計4カ所の消毒地点を設け、24時間体制で養鶏関係車両のタイヤの消毒を始めるなど「最大限の警戒感」(長崎県)を持ち、防疫対応に当たっている。
 長崎県内では移動制限区域に波佐見町の一部、搬出制限区域に佐世保市と東彼3町の一部が入る。消毒地点の一つ、東彼杵町の坂本製茶工場前(国道34号)には、同日正午ごろから関係車両のタイヤを消毒するため、防護服を着た県職員らが待機していた。他の消毒地点は、▽やきもの公園(波佐見町、県道1号)▽JAながさき県央ライスセンター(同町、県道222号)▽三川内焼伝統産業会館(佐世保市、国道35号)。
 県によると、発生農場と車や人の行き来があったり、出荷先で接したりする県内施設がないことを確認した。移動制限区域に養鶏場はないが、搬出制限区域の波佐見町に養鶏場(採卵)1戸(800羽)、ペットとして鶏を飼っている1戸(29羽)がある。これまでに2戸を含む県内の養鶏場139戸から異常の報告は上がっていないという。12~23日に全戸を対象に消石灰による緊急消毒を実施する。
 県は6日、総合対策本部会議と防疫対策会議を開き、農場や周辺の消毒の徹底や異常を発見した際の早期通報などを改めて確認した。綾香直芳農林部長は対策会議で「県内の至る所にウイルスは侵入してきていると考えられる。強い危機感を持って難局を乗り越えたい」と述べた。
 対策会議に出席した養鶏関係者は「身近に迫ってきていると感じる。絶対に農場に(ウイルスを)入れないよう県全体で努力していきたい」と語った。


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