彫刻と抽象画 2作家の個性共鳴 倉敷で新鋭作家選抜美術展

気鋭の作家2人の作品が共演する会場

 倉敷市ゆかりの若手、中堅作家の作品を紹介する「第23回倉敷新鋭作家選抜美術展」(市など主催)が、同市中央の市立美術館で開かれている。彫刻家大前和之さん(51)=岡山市北区、画家石原直樹さん(45)=倉敷市=のジャンルの異なる2人が共演し、それぞれの個性が響き合う空間に来場者が見入っている。11日まで。

 大前さんは倉敷市出身。岡山県内の彫刻家による「おかやま彫刻会展」をはじめ、県内外で活動する。石原さんは抽象画の表現を追究。県内の洋画家が集う「ギャルド・ファイブ展」などに参加する。今展には大前さんが鉄や木、御影石を組み合わせた9点、石原さんが12点を並べた。

 このうち大前さんの「ソラカケラ」は、西日本豪雨で被災した同市真備町地区の恩師宅を片付け中、対照的に頭上に広がった快晴の空の印象を、黒や青色を入れた鉄材で表した。過去に描いたキャンバスの上に絵の具を流して新しい作品を仕上げる石原さんは、赤や白、黄色で彩った横約7.2メートル、縦約2.2メートルの大作が目を引く。

 大前さんは「今後も感じたメッセージを発信し続けたい」、石原さんは「皆さんの感性で自由に楽しんでほしい」と話していた。

 午前9時~午後5時15分。入場無料。

大前和之さん
石原直樹さん

© 株式会社山陽新聞社