放送との出会いから生まれた「夢」を追い掛ける 大分上野丘放送部 小野真由子(3年) 【大分県】

幼い頃から人前で話すことが好きだったという大分上野丘高校放送部の小野真由子(3年)。中学では合唱部に所属する一方で生徒会の議長となり、校内イベントの司会進行などを担当したことで、話すことの楽しさが増したという。「全校生徒の前で話す時に、自分の声がマイクを通して伝わることが気持ちよかった。この経験を高校でも生かしたいと思い、放送部に入部した」

1年時は朗読を専攻したが、もっと違う経験がしたいと翌年アナウンスに転向。この決断が小野の人生を大きく変えた。転向後まもなく開催された「NHK杯高校放送コンテスト大分県大会」で優秀賞(2位)に輝くと、それまで意識の薄かった大会に対する熱が入り、その後の「九州高校放送コンテスト大分県予選」では見事1位を獲得。九州大会でも3位入賞するなど急成長を見せた。小野は「素直にうれしかった。九州は放送の強豪校も多いので自分の自信にもつながった」と振り返る。

大会前に仲間たちと実力を高めた放送部の部室

入賞したことで意識も変わった。滑舌や発声はコツコツと練習を積み重ねることが大きな成長につながるとの先生や先輩のアドバイスに、毎日欠かさず練習した。「本番前は緊張するので一回でも多く声に出すようにした。部活外でも、例えばドライヤーをかけながら、自転車通学の時間も苦手なワードを繰り返し練習した」。そんな日々の努力が実を結び、3年生最後の「NHK杯高校放送コンテスト」では県大会を1位で通過し全国大会に出場。また「第46回全国高等学校総合文化祭」では、大分の宇宙港について自作した原稿を読み上げ、ブロック優勝を手にした。「120人もの審査になるのでインパクトやユニークさを意識し、聞く人に面白い原稿になるよう取り組んだ」(小野)。審査には読みの表現はもちろん取材力や企画力、文章力も大きなポイントになるという。常に、どうすれば人の心に残り、声で表現することができるのかを第一に考えた。その真摯(しんし)な姿勢が、彼女を数々の大会で頂点に導いた。

高校最後の大会で有終の美を飾った。大学でも放送研究会に所属し、「アナウンサーになるという夢を追い掛けてみたい」と話す。放送部に入り、入賞を重ねたことで生まれた大きな夢。これから始まる彼女の未来は、今大きな一歩を踏み出そうとしている。

アナウンサーになる夢を追い掛け、さまざまなことに挑戦したいと話した

(塩月なつみ)

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