利用にアプリ四つ必要「ふく育割」…マイナカードは不要検討 福井県の子育て世帯対象クーポン

福井県議会一般質問で答弁する杉本達治知事=12月7日、福井県議会議事堂

 福井県議会は12月7日、本会議を再開し、笹原修之議員(自民党福井県議会)ら9人が一般質問した。子育て世帯や妊婦を対象にした電子割引クーポン「ふく育割」について理事者は、マイナンバーカードの有無に関わらず発行を受けられるよう検討する方針を示した。「関係機関とさまざまな調整が必要になる」と述べ、具体的日程は示さなかった。

 兼井大(自民党福井県議会)、佐藤正雄(共産党)両議員への答弁。

 ふく育割は、9月1日時点で18歳未満の子ども(4月2日~8月31日に18歳になった子どもを含む)や妊婦がいる世帯が対象。「ふく育応援団」の店舗で3千円以上買い物をした場合に千円が引かれるクーポンを4枚配布する。利用期間は来年2月末まで。

 県や市町の行政サービスをスマートフォンで一元的に利用できる県公式ポータルアプリ「ふくいコンシェルジュ」を活用した第1弾の事業。ポータルアプリの利用はマイナンバーカードの取得を前提とし、ふく育割でも必要になる。

 両議員はマイナンバーカードの有無で行政サービスに格差が生じることを問題視。ふく育割の利用には「ふく割」や「ふくいコンシェルジュ」をはじめ計四つのアプリをダウンロードし、県の子育て応援サイト「ふく育」の会員登録も必要で、佐藤議員は「何段階もの手続きが必要なことなど子育て世帯からは改善を求める声が出ている」と指摘した。

 理事者は、「ふくいコンシェルジュ」はさまざまなデータをつなぎ個人の状況に応じた行政サービスの提供を目指していると説明。「利用者の本人確認が必要になり、窓口で書類提出の手間を省き、行政側も迅速かつ事務負担を抑えた対応を行うため、マイナンバーカードを用いて自動的に確認する方法を採用している」と理解を求めた。

 一方で「ふく育割は子育て世帯を応援する給付の側面もある。県民の方々の声も踏まえ、マイナンバーカードの有無によらず、幅広い子育て世帯が発行を受けられるよう運用を速やかに検討していく」とした。煩雑な手続きについては「利便性の向上に向けた検討も併せて行っている」と述べた。

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