県内感染 累計30万人超 96日間で10万人増 病床使用率63% 新型コロナ 新規は2306人

新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(米国立アレルギー感染症研究所提供)

 栃木県は8日、新たに計2306人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。県内の累計感染者数は30万149人となり、20万人を超えた9月4日公表分から96日間で10万人増えた。7日現在の病床使用率は63.0%に達し、過去最高値の64.1%(8月21日)に迫る。重症化リスクが高い高齢者の感染が増え、高齢者施設でのクラスター(感染者集団)も頻発しており、県は感染対策の徹底を改めて呼びかけている。

 8日の発表では、80歳以上の男女5人と70代男性1人の計6人が4~7日に死亡した。うち施設療養中が4人、入院中が2人で、県内の死者は計619人となった。

 新規感染者は0歳~90歳以上。40代以下が全体の約7割を占め、最多の40代が394人、30代が361人、10代が325人、10歳未満が319人などと続く。

 クラスター(感染者集団)は6件発生した。このうち4件が高齢者施設で、宇都宮市内で5人、栃木市内で6人、小山市内で14人と6人が感染。他の2件は宇都宮市内の医療機関で、各11人が感染した。入院者(予定含む)424人、宿泊療養者94人、重症者5人。

 福田富一(ふくだとみかず)知事は11月17日に県内の第8波入りを宣言。インフルエンザとの「同時流行注意報」を発出し県民に対策を呼びかけたが感染拡大は止まらず、同月下旬以降は2千人以上の感染が連日公表されている。病床使用率も上昇し、3カ月半ぶりに6割を超えた。

 一方、7日現在の直近1週間の新規感染者数は前週比1.07倍とほぼ横ばいで、増加速度は鈍化傾向に。ただ80代は1.25倍、90歳以上は1.43倍と高齢者の増加率は高くなっている。

 11月のクラスターは81件で、第7波のピークの8月(76件)を上回った。高齢者施設が57件を占め、施設療養中に死亡する高齢者も増加している。このほか18件が医療機関、6件が障害者施設で発生した。

 県感染症対策課は「第8波の勢いは衰えず、感染者数は高止まりしている。改めて対策を徹底してほしい」と訴え、ワクチンの早期接種も呼びかけている。クラスター防止のため、高齢者施設職員には配布した抗原定性検査キットによる定期的な検査を促している。

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