男性遺体、アパートに…刺し傷あり、交友関係から浮上した男逮捕 今年すでに3回、2人から通報があった

殺人容疑、病院で知り合った男逮捕

 埼玉県川口市芝塚原1丁目のアパートの一室で、この部屋に住む無職の男性(56)の遺体が見つかった事件で、川口署特別捜査班は8日、殺人の疑いで、川口市戸塚東3丁目、無職の男(55)を逮捕した。

 逮捕容疑は今月2日、男性宅で、男性の体を刃物で刺すなどして殺害した疑い。男性の上半身には複数の刺切創があり、死因は臓器損傷による出血性ショックだった。凶器の刃物は1種類とみられる。男は調べに「私は殺していません」と容疑を否認しているという。

 特別捜査班は遺体の腹部などに刃物で刺されたような傷があったことや現場の状況から殺人事件と断定。男性の交友関係を中心に洗い、周辺の聞き込みや防犯カメラの精査などの捜査から、男の犯行を特定した。

 捜査1課によると、警察と消防が突入した際、玄関やベランダは施錠されていたが、現場から鍵が1本見つかったという。男性は1人暮らし。同1日夜に生存が確認されていて、訪れた男性訪問医(40)が倒れているのを発見した2日午後2時45分までの間に殺害されたとみられる。

 男性と男は知人で、以前同じ県内の病院に入院していた際に知り合ったという。双方からの110番歴はこれまでに今年8~9月の計3回。内容は同主旨のもので、いずれも警察官が臨場した際は男性宅に2人が一緒にいたという。県警は3回とも適切な措置は講じたとしている。

 県警は2人の間に起きた何らかのトラブルが殺害に至った背景にあるとみて、詳しい経緯を調べている。

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