世界遺産・宮島の樹木 また無許可で伐採 “島ごと文化財”周知されず 広島県「発注者として責任感じる」

広島県は、世界遺産・厳島神社がある宮島(廿日市市)で、業者が、文化庁の許可を得ずに樹木を伐採していたと発表しました。

県によりますと12月5、6日に、砂防えん堤を設計するためのボーリング調査をするため、資材を運搬するモノレールを設置する際、作業の支障となる木36本を、伐採したり枝払いをしたりしていたということです。

宮島は、島全体が国の特別史跡・特別名勝に指定されていて、文化庁の許可なく、工事をしたり、木を切ったりすることはできません。

今回、モノレールの設置などボーリング調査にかかる事業については、文化庁から許可を得ていましたが、樹木を伐採する際には、別途、許可を得る必要があったということです。

宮島では、2019年10月、国の天然記念物の原始林で、県が無許可で木を伐採していました。

この事案を受け、県は、受注業者に「木を切ることはできないので、木を切る必要性がでてきたら、事前に連絡してほしい」と伝えていました。しかし、受注業者から地質調査を請け負った作業員には、周知されていなかったということです。

県の担当者は「発注者として責任を感じている。大変申し訳ない。文化庁の指導のもと、今後の対応を検討していく」としています。

※伐採された木の画像は広島県提供

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