<金口木舌>保育現場に関心を

 ノーベル平和賞を受賞したマザー・テレサは「愛の反対は憎しみではなく無関心だ」と語った。無関心でいれば相手に何の感情も芽生えず、心を寄せることもない。確かに愛の対極にあるとうなずける

▼子育てに愛が大切なのは言うまでもない。子どもの言葉や行動に関心を持ち、正面から向き合うことが求められる。愛を受けていると実感することが、子どもの成長にプラスになる

▼県外で保育士による園児への虐待が相次いで明らかになった。園側は子どもたちの様子をしっかりと見ていたか。行政は園の状況を把握していたか。事件の背景にさまざまな「無関心」がなかったか気になる

▼厚労省の調査によると、子どもへの暴言など「不適切な保育」は2019年度に全国で345件あった。コロナ禍で保育現場の負担も増えた。件数は多くなっている可能性がある

▼子どもたちの健全育成には大人の支えが必要で、私たちも無関心ではいられない。保育現場にも目を向けて、子どもたちの笑顔のために何ができるか一緒になって考えたい。

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