消えゆく小学校の遊具、新調より撤去を優先 福井市では2割老朽化などで使えず、一つのみの学校も

 福井県福井市は12月7日、市内小学校に設置してある遊具274基中、2割に当たる58基が老朽化などのため使用禁止になっていると明らかにした。市内50校のうち、28校で一部遊具に不具合がある。修繕できるもの以外で危険性の高い遊具の撤去を優先しており、新調する予定はないという。

 同日行われた市会一般質問で、理事者が岩佐武彦議員(一真会)の質問に答弁した。市教委によると、小学校にはうんていや鉄棒、ブランコなどが設置されている。専門業者の点検は、50校を4グループに分け毎年1グループずつ実施。日常的なメンテナンスとして各校でチェックし、塗装など軽微な修繕は施設技師が行っている。

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 点検で不具合が発見された場合、使用禁止にした上で修繕可否を判断する。現在使えない58基のうち、2015年から長期にわたり使用禁止になっているものもある。新規設置しないため遊具数は年々減少。使用できる遊具が一つのみの学校も2校あるという。

 市教委は「体力向上のため遊具はあった方が良いと考えているが、まずは危険性の高いものの撤去を進めている」とした。

 市内の公園に設置された遊具では、1452基を市が管理している。公園課によると、専門業者による法定点検を年に1回、市職員による点検を年2回実施。本年度は26基の不具合を確認した。使用禁止にして修繕するとともに、修繕で対応できないものは順次更新している。

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