7年ぶり“節電の冬”にまちのイルミネーションの輝きは…福井県内、点灯時間の短縮も

JR福井駅西口広場で実施されているイルミネーション「ふくあかり」=福井県福井市大手2丁目

 政府が冬としては2015年以来7年ぶりに全国規模で節電を要請する中、福井県内の各地で風物詩となっているイルミネーションの多くが、例年通りまちを彩っている。節電要請などを踏まえ、一部は既に実施時間を短縮。通常通り点灯しているところも、多くが今後の電力需給の状況によっては短縮などの対応を検討するとしている。

 越前市武生中央公園や商店街など中心市街地一帯の「たけふまちなかイルミネーション」は、昨シーズンは深夜までだった樹木の電飾などの点灯時間を、一部を除き午後10時までに短縮した。まちづくり会社「まちづくり武生」の担当者は「市民の節電意識も考慮する必要がある。節電や環境負荷を重視し、その範囲内で最大限のにぎわいにつなげられるよう取り組んでいる」とした。

 福井市中心市街地の「ふくあかり」では、JR福井駅西口広場に北陸新幹線を模した電飾を新設した。市の担当者は「新幹線開業に向けたにぎわい創出が目的で、引き続き実施したい」とした上で「今後電力需給が逼迫(ひっぱく)する状況になれば、短縮などを検討する」。

 7万個の発光ダイオード(LED)を使う小浜市まちの駅・旭座や、プロジェクションマッピングも実施する南越前町の道の駅「南えちぜん山海里」の屋外施設「さんかいりパーク」、越前焼の間接照明4千個が並ぶ越前町の県陶芸館、坂井市ゆりの里公園など、県内の主要なイルミネーションも今のところ節電要請を受けた対応は取っておらず、今後の状況次第で検討するとしている。

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 冬の敦賀港を彩る「ミライエ」も12月25日までの点灯を予定通り実施予定。点灯に使う電力は2014年のイベント開始当初から、市内各所で集めた廃食油から作るバイオディーゼル燃料で賄っている。「敦賀・鉄道と港」まちづくり実行委員会の宇野精浩さんは「環境にも優しく、高齢者でも携わることができる市民一丸の取り組み。福井を代表するイルミネーションとして、多くの人に楽しんでもらいたい」と話した。

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