カージナルスがロドン争奪戦に参戦か 1年後に先発4人がFA予定

千賀滉大がメッツと合意してFA市場から姿を消し、「最後の大物先発投手」となったのがジャイアンツからFAのカルロス・ロドンだ。今季178イニングを投げて14勝8敗、防御率2.88、237奪三振というキャリアハイの成績を残した30歳の左腕には、ヤンキースや再契約を目指すジャイアンツなどが興味を示していることが報じられているが、「ニューヨーク・ポスト」のジョン・ヘイマン記者によると、カージナルスも争奪戦に加わっているという。これには1年後のオフに4人の先発投手が一気にFAになるというチーム事情が関係している。

カージナルスは、現時点では来季の先発ローテーションがアダム・ウェインライト、マイルズ・マイコラス、ジョーダン・モンゴメリー、ジャック・フラハティ、スティーブン・マッツという顔ぶれ。6番手以降にはダコタ・ハドソンや有望株マシュー・リベラトーアらが控え、絶対的なエースと呼べるような存在こそいないものの、質・量ともまずまずの陣容となっている。

しかし、ウェインライトは来季が現役ラストイヤーになることを明言しており、マイコラス、モンゴメリー、フラハティの3人も来季終了後にFAとなる。現時点で先発1~4番手を担うと予想されている4人の投手が1年後に一気にチームを去る可能性があるのだ。若手育成に定評のあるカージナルスとはいえ、先発ローテーションの4枠が同時に空くのは大きな痛手。こうしたチーム事情を考えると、2024年以降も計算できる先発投手を確保するために、ロドンの争奪戦に加わっているのは当然の動きと言えるだろう。

今季リーグ4位の防御率3.79を記録したカージナルス投手陣だが、1177奪三振はリーグ最少であり、メジャー全体でも最も少なかった。絶対的な司令塔として君臨していた名捕手ヤディアー・モリーナが引退し、「三振奪取能力に欠ける投手陣を捕手の好リードと野手陣の好守で支える」という戦法が来季以降も通用する保証はない。三振奪取能力が高いという点でも、ロドンはカージナルスにとって魅力的な存在であると思われる。

ただし、ロドンは7年契約を欲しているとの報道もあり、豊富な資金力を誇るヤンキースやジャイアンツとのマネーゲームが予想される。そうした状況のなかで、カージナルスはロドン争奪戦を制することができるだろうか。

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