大村市内で地域猫活動に取り組む「おおむら桜ねこの会」(山石みほ子代表)と市教育委員会は9日、同市幸町のシーハットおおむらにすみ着いた野良猫の適正管理に向けた覚書を交わした。同市の公共施設では初の試みで、野良猫を減らすモデルケースにしたい考え。
同会によるとシーハットおおむらには現在、10匹ほどの猫がすみ着いている。今年初めに施設側から相談を受け、猫を捕獲し、不妊去勢手術をした上で地域に戻す「TNR活動」に取り組んでいる。
覚書では、野良猫への不妊去勢手術を施すほか、時間と場所を決めた餌やり、トイレの設置、周辺の清掃など、猫の適正管理や施設環境の維持に連携して取り組むとしている。すみ着いている猫には名前が付けられ、写真と合わせて紹介する予定。市側は「地域で温かく見守ってほしい」としている。
覚書を交わした遠藤雅己教育長は「TNRを推進すると同時に、市教委としても命の教育の一環で子どもたちに教えたい。すべての命を大切にする地域づくりに貢献できれば」とあいさつ。山石代表に活動時に着用するビブスを手渡した。
山石代表は「適正管理のためには不妊去勢手術後の管理が大切で、今回の覚書は先進的な取り組み。これを機に市民の認知度が高まり、行政とボランティアの三者協働で推進していければ」と話した。