県立中入学者の募集定員「男女同数」撤廃へ 6割の条件付き 長崎県教委

 長崎県教委は県立中の入試の募集定員を男女同数とする規定を、来年度入試から撤廃することを定例教育委員会に提案することが12日、県教委への取材で分かった。ただし、当面は男女いずれかの定員が6割を超えない条件付きにする方向。15日の定例教育委員会で承認されれば正式に決定する。
 県立中3校(長崎東、佐世保北、諫早高付属)の入学者募集要項は定員各120人で、「男女同数を基本とする」と規定。県教委は、体育や音楽の授業などで「発達途上の段階のため、男女が偏らず一定の学びの場を提供できる」点などを男女同数の理由としている。
 一方、2022年度の志願者数は長崎東が男子118人、女子161人。女子が約58%を占め、過去の県立中入試で男女差が最も開いていた。
 現行制度では性別の違いで合格率が異なるため、不公平という指摘がある。全国の都道府県立中で入試時の性別規定を見直す動きがあり、県教委の調査によると、性別規定を設けていない都道府県立中学は21年度の59.8%から22年度は64.9%に増えた。
 県教委は近年の志願者状況を踏まえ、適性や能力を重視した選抜を実施するため、性別規定の撤廃を検討。県教委は「6割の条件」を設ける理由として、男女比が3対7になると、グループ分けでバランスが悪くなったり、部活動の存続が難しくなったりする影響などを挙げ、「男女平等の教育効果のためのセーフティーネット」としている。今後、大きな影響がなければ、完全撤廃も視野に検討するという。


© 株式会社長崎新聞社