被爆漫画家・西山進さんの体験紹介 交流証言者の調さん、長崎で定期講話

被爆者、西山さんの死去後、初めて講話する調さん=長崎市、長崎原爆資料館

 被爆体験を継承する「家族・交流証言者」の定期講話が8日、長崎市平野町の長崎原爆資料館であり、被爆2世で同市本尾町の調仁美さん(60)が、10月6日に94歳で亡くなった被爆漫画家、西山進さんの被爆体験を話した。
 西山さんは17歳の時、爆心地から約3.5キロの船の部品工場で被爆。30代から漫画家として、被爆体験を表現してきた。
 調さんは西山さんの紙芝居のイラストを使いながら「彼は最期まで原爆を憎み、平和を訴える漫画を描き続けた」と講話。「今までは西山さんがいて安心感があったが、今は改めて彼の人生を伝えていかないといけない」と話した。
 講話を聞いた福岡県糟屋郡の主婦、森本愛美さん(29)は「どうしても時代が古くて資料が少ない中、自身で書いたイラストで視覚的に後世に伝えようとする姿勢が印象に残った」と話した。
 同市平和町の杉本伸一さん(60)も講話。丸田和男さん(90)の中学生時の被爆体験を伝えた。


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