傷害事件の男が逃走中、しかし「集団下校」の通知遅れ、現場は混乱 幹部の「意志決定に時間」 沖縄うるま市石川区外の小中学校 

 【うるま】うるま市石川白浜の路上で13日午前、通行中の男性が面識のない中年風の男に突然、ナイフのような物で刺される傷害事件が発生した件で、市教育委員会が市内の小中学校に集団下校などを呼びかけた時間が同日午後2時半ごろと遅くなり、一部の学校に混乱が生じ、急な対応を余儀なくされた学校もあった。学年によってはすでに下校している学校もあった。男は逃走し、行方を警察が追っている。

 事件は13日午前5時半ごろに発生した。市教委は同日午前中に市内の全小中学校に通知し、石川区の小中学校には集団下校や保護者同伴の下校を促した。

 その後、石川区外の学校にも集団下校などを要請したが、連絡が遅れた。市は通知が遅れた理由について「教育長や学校教育部長が市議会に出席しており、意思決定に時間を要した」と説明した。

 ある小学校では、学校から保護者への連絡が午後3時45分ごろになり、下校時間を過ぎていた。ある生徒は部活動があると思って学校外に出ていたため、迎えに来た保護者にとっては行方が分からなくなった。この生徒の母親は「犯人は逃走中なのに区外への連絡が遅いのはおかしい」と疑問視した。

 市教委は15日までは、市内の小中学校に保護者同伴の下校など安全に配慮した登下校を求める予定。16日以降は放課後の課外活動は認めるが、日没前の帰宅を呼びかける。 

(古川峻)

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