所得の「倍増」が「増税」に 防衛財源で自民迷走 SNSも炎上中

自民党本部=東京都千代田区

 防衛力強化に向けた財源確保策を巡り、税制調査会など自民党内での協議が荒れた。岸田文雄首相が「唐突に増税の検討を指示した」(同党税調関係者)ことが原因で、就任以降の総選挙、参院選でも信を問うていないことから「所得の『倍増』が『増税』に化けた」(閣僚経験者)と党内からも批判が噴出。菅義偉前首相(衆院神奈川2区)を支持する議員を中心に来春の統一地方選への逆風を懸念する声も強まってきた。 

 「国民の命を守るのは政治の責任であり、国民に押し付ける話ではない」。自民関係者によると、14日の会合後、三原じゅん子氏(参院神奈川選挙区)は記者団を前に明言。自身のツイッターでも「国(政治)の責任だと私は思います」と強調し「そんな大切な事をいきなり『増税』ありきで提示してきて数日で決めるなんてやり方は間違ってる」と批判した。

 増税構想への疑問や批判は三原氏ら若手を中心にSNSなどで拡散。事態を重く見た党本部は同日夕、騒動のきっかけとなった役員会(13日)での首相発言について「(財源の増税での確保は)今を生きる国民の責任」から「今を生きる我々が自らの責任として」だったと訂正したが、いまだ炎上はやんでいない。

© 株式会社神奈川新聞社