鳥インフルエンザ、沖縄初の高病原性か 沖縄・金武の養鶏場 9日に異変、15日通報

 沖縄県は15日、金武町の養鶏農場で高病原性鳥インフルエンザが疑われる事例が発生したと発表した。農場の報告によると9日から14日までに計7529羽の鶏が死んだ。遺伝子検査の結果が16日午前9時にも判明する見通し。高病原性なら県内初確認で、同農場の全ての鶏約4万5千羽が殺処分対象となる。

農場では今月9日から14日までに鶏7500羽以上が死ぬ

 15日に農場から「死ぬ鶏が増えている」と通報があり、簡易検査で11羽中10羽が陽性だった。県への報告によると、9日に259羽が死んでいるのが確認された。14日には3974羽に達した。農場は15日になって初めて県に通報した。
 高病原性と確定すれば、発生農場から半径3キロ以内が鶏や卵の移動を禁止する移動制限区域に、半径10キロ以内が出荷を禁止する搬出制限区域に指定される。県によると、半径3キロ以内に養鶏農家はない。10キロ以内には18戸(42万羽)ある。
 県は15日、対策本部を設置。本部長の玉城デニー知事は、全養鶏農家に飼養衛生管理基準の順守徹底と異常があった場合は直ちに連絡するよう求めた。県民に対し「人に感染することはない」と冷静な対応を呼び掛けた。農水省の防疫対策本部も、疫学調査チームを派遣するなどの対策を講じる。 (當山幸都)
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