高病原性鳥インフル、沖縄で初確認 金武の農場、3万7000羽殺処分

 沖縄県は16日、金武町の養鶏農場で死んだ鶏から、高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認されたと発表した。県内での確認は初めてで、県は同日からこの養鶏場に残る全ての鶏3万7千羽の殺処分を開始した。県内のほかの養鶏農家では異常は報告されていない。発生現場から半径10キロ以内の農家は出荷制限を受けるなど、鶏肉や卵の供給に影響が出る恐れがある。

 県によると、同農場では約4万5千羽を飼育していたが9日から14日までに7500羽以上が死んだ。飼養衛生管理基準については守られていたという。

 17日午前に焼却作業に入る予定。悪天候の影響もあり、18日以降も作業が続く見込み。

 発生農場から半径3キロ以内は鶏や卵の移動を禁止する移動制限区域に、半径10キロ以内は出荷を禁止する搬出制限区域に指定された。半径3キロ以内に養鶏農家はない。10キロ以内には肉用鶏が13戸で約32万3700羽、採卵鶏が5戸で約10万500羽飼育されている。消毒ポイント4カ所が設けられ、養鶏関係車両を対象に消毒が行われている。

 既に卵や鶏肉の国外出荷に影響が出始めている。農林水産省動物検疫所によると、鳥インフルの発生を受けて沖縄からの卵や鶏肉など家禽(かきん)畜産物の輸出が停止された。再開には防疫措置完了から28日が経過しているなどが条件で、相手国との交渉も必要になる。

 国は、鶏肉や鶏卵を食べても人に感染する可能性はないとの見解を示している。

 環境省は発生農場周辺を「野鳥監視重点区域」に指定し、渡り鳥や野鳥の異常に関する情報提供を呼び掛けている。 

  (當山幸都)

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