MスポーツのWRC2ラインアップ決定。フルモーとミュンスターがフォード・フィエスタで参戦

 Mスポーツ・フォードはWRC世界ラリー選手権の2023年シーズンに向け、アドリアン・フルモーとグレゴワール・ミュンスターを同シリーズのWRC2クラスに送り込むことを確認した。彼らはともにフォード・フィエスタ・ラリー2 MkIIでステップアップカテゴリーのタイトル獲得を目指す。

 フルモーは車両トラブルや自身のミスによるアクシデントが相次いだ2022年シーズンを最高峰のラリー1クラスで過ごしたが、来る2023年はサポートカテゴリーに戻ることとなった。

 彼はこのクラスで2019年から2021年にかけて33回のステージウインを果たし、WRC2の表彰台を6度経験するなど、Mスポーツのフィエスタ・ラリー2の扱いは充分に慣れている。

 一方、新加入のミュンスターはフォードのマシンには慣れておらず、フィエスタ・ラリー2での実戦は来年1月19~22日に開催される第1戦『ラリー・モンテカルロ』が初めてとなる。

 23歳のルクセンブルク人は2022年シーズン、WRC2のフロントランナーとして活躍。ヒョンデi20 Nラリー2を駆り、WRC2クラス初優勝を記録したシーズン最終戦『ラリージャパン』は彼にとって今季のハイライトとなった。

「4年連続でチームの一員になれて本当にうれしい。来月、モンテカルロに戻るのが楽しみだよ」と語るのは、27歳のフルモー。「クリスマス直後にフィエスタ・ラリー2をドライブするイベントがあるから、モンテに向けて完璧な準備ができるだろう」

「2023年に向けて、僕を信頼しドライブする機会を与えてくれたチームに感謝している。一緒に何ができるか見るのが楽しみだ」

 ベルギー選手権の元チャンピオンであるバーナード・ミュンスターの息子であるグレゴワールは最近、Mスポーツの拠点を訪れマシンのテストと施設の見学を行った。若い才能の育成に定評のあるチームへの参加に、彼は明らかに興奮している。 

「ドベンビーホールの施設やインフラは素晴らしく、ワークショップや新しいビルはとても印象的だった。コースも素晴らしく、とくに凍結したコンディションではとても気持ちよく走れる」とミュンスターは述べた。 

「2023年の計画は、ラリー2で多くのイベントに参加し、これまでの経験を生かすとともに、初めてのイベントもいくつか経験し、そこで発見を得ることだ。クルマに順応し、良いパフォーマンスを発揮して可能な限り良い結果を出したい」

「Mスポーツは真のタレントファクトリーだ。(トヨタのエルフィン・)エバンスをはじめ、(Mスポーツに復帰したオット・)タナク、(ヒョンデのティエリー・)ヌービルもみんなMスポーツ出身だ。ドライバーとして進化するには最高の場所だと思う。一緒に仕事をするチームも良いし、クルマも強いからね」

「これから良いシーズンが待っているから、チームでの仕事を最大限に活用し、経験を積んでドライバーとして成長することが焦点になるだろう」

2022年はフォード・プーマ・ラリー1をドライブしたアドリアン・フルモー。来季2023年はふたたびWRC2クラスに戦いの場を移すことになった
フォード・フィエスタ・ラリー2

© 株式会社三栄