五輪V2の金城梨紗子選手、結婚機に福井県で指導中 レスリングの魅力を小中学生に伝える

敦賀少年レスリングクラブの子どもたちのスパーリングを見て指導する金城梨紗子選手(左奥)=12月8日、福井県敦賀市の敦賀気比高校

 東京のレスリング女子57キロ級で優勝し、2大会連続で金メダルを獲得した金城梨紗子選手(28)=旧姓川井=が福井県敦賀市の敦賀少年クラブの小中学生に指導している。一生懸命練習に励む子どもたちに「レスリングの楽しさや目標を持って取り組む大切さを伝えられれば」と力を込める。

 金城選手は同五輪後の2021年8月に当時敦賀気比高校レスリング部コーチで現監督の金城希龍さん(29)=沖縄県那覇市出身=と結婚し、敦賀市を拠点に生活している。同クラブには小学1年~中学1年の男女計19人が所属。練習は同校レスリング場で火、木曜の午後7~9時に行っている。金城選手は希龍さんが同クラブでも指導している縁で教えるようになった。

 「結果だけでなく、目標までの経過や道のりを大事にして指導したいと思っている」という。12月8日の練習ではスパーリングを見ながら「今のいいね。よく粘った!」などと褒め、サーキットトレーニングでは「元気ないよ」「もっと声出して」とげきを飛ばしていた。同クラブキャプテンの小学6年の女子児童は「一流の人から教えてもらえるのはうれしいし、もっと強くなりたい」と意気込んでいた。

 5月に第1子となる女児を出産した金城選手は、復帰戦となった10月の全日本女子オープン選手権59キロ級で優勝した。全日本選手権(12月22~25日・東京)も非五輪階級の59キロ級にエントリー。母として24年パリ五輪で3連覇を目指している。同部の練習にも参加し、一緒に汗を流しており「(子どもたちには)私が勝っているところを見て、励みにでもなってくれたらうれしい」と期待する。

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 同クラブ代表兼事務局の高橋茂さん(46)は「世界トップの選手が教えてくれるのは子どもにとっても指導者にとってもいい刺激になる」と感謝。レスリングは試合の組み立てや駆け引きが魅力といい「最初は体づくりから徐々にやっていく。興味がある子がいれば気軽に連絡してほしい」と話していた。

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