「具やソースはどうするか、際限なくてそれが魅力」これまでに100種類以上考案 オムライスに魅せられた店主が作る至福の味【愛情ごはん】

ナイフを入れると溢れだす、トロットロの卵。定番の味だからこそ手間を惜しまない至福のオムライスです。浜松市中区の住宅街にあるオムライス専門店「クインズカフェ」。もともと、住居だった一軒家を店に改装しました。店内には、それまでの面影を残したこんなものまで。

<伊部桜輔カメラマン>

「お風呂場みたいですけど」

<客>

「初めて見た時びっくりした」

「おもしろいなと思って」

「おいしいです。すごくトロトロしています」

店の一番人気はデミグラスソースのオムライス。オムレツはチーズ入りでソースは牛すじからとった出汁と香味野菜を煮込み、炒めた小麦粉でとろみをつけました。

店主の定方正信さん(54)です。この店で27年間、腕を振るってきました。

<クインズカフェ店主 定方正信さん>

「ケチャップライスの上にオムレツを乗せてソースをかける、それをナイフで切り開くのが、うちのオムライスですが、色々なバリエーションをつけてメニューにしています」

SBSのポータルサイト・アットエスの「オムライス総選挙」で、静岡県西部1位にも選ばれた「鮭のオムライス ベシャメルソース」。

網焼きした切り身をオムレツに混ぜ込み、仕上げに、にんにくが香るマー油をかけました。卵とホワイトソースのまろやかさがマッチする優しい味わいです。健康な親鳥から生まれた鮮度のいい卵を約3個分使っています。

<定方正信さん>

「(オムライスは)完成されたものでもあるけれど、オムレツの具をどうするか。ソースはどうしようとか、際限なくてそれが魅力なんですかね。ハマってしまったという感じです」

幼い頃からオムライスが大好きだった定方さん。東京の洋食店でのアルバイトを経て、27歳で浜松の街なかに店をオープン。当時、珍しかったトロトロ卵のオムライスが人気でしたが、中心市街地の空洞化の影響を受け、44歳で郊外への移転を決意。自宅を改装し、現在の店を開きました。

「お店で食べるようなオムレツを作りたい!」そんな客の要望に応え、定方さんは、10年前からオムレツ教室を開いています。

<生徒>

「ちょっと補助が入っちゃいましたけど、上出来です」

<定方正信さん>

「月1でオムライス好きの方が集まって、楽しくワイワイできるのはこういう場しかないと思うので、僕も楽しんでやっています」

これまでに考案したオムライスは、なんと100種類以上!12月25日までの期間限定メニュー「スイートチリソースのオムライス」は、チーズ入りのオムレツに、赤はスイートチリソース、緑は青唐辛子のソース、白はホワイトソース。3色で彩り、クリスマスらしさを演出しました。味は甘辛く、タイ料理風に仕上げています。定方さんは、アイデアあふれるオムライスを作り続けます。

<定方正信さん>

「死ぬ間際まで出来たらいいなと思っています。最後の1個を作ってばったり倒れたっていう感じが理想かなと思っていますね。ずっとこのままやっていけたらいいなって思っていますね」

オムライスに魅せられた定方さん。街並みは変わっても、ここ、浜松でオムレツを焼く手が止まることはありません。

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