岡山県が「医療ひっ迫警報」 病床使用率上昇で独自に呼びかけ

「医療ひっ迫警報」の発令を決めた岡山県の新型コロナ対策本部会議=県庁

 岡山県は20日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う医療提供体制の逼迫(ひっぱく)を回避するため、県独自の「医療ひっ迫警報」を出した。人の移動が活発化する年末年始を控え、抗原検査キットの買い置きや平日日中の受診など、感染拡大防止と医療機関の負荷軽減につながる対応を県民に促す。

 伊原木隆太知事は同日の対策本部会議で、県内の直近1週間(13~19日)の病床使用率が60.5%と前週の52.7%から大きく上昇したことに触れ「医療への負荷が高まっている。これ以上の感染拡大を防ぐため、県民に協力をお願いしたい」と強調した。

 医療ひっ迫警報では、体調が少しでも悪い場合は外出を控えるとともに、混雑した場所へ出かける際は感染防止策を徹底するよう改めて要請。抗原検査キットや解熱鎮痛剤の買い置き、早期のワクチン接種なども盛り込んだ。事業所に対しては体調の悪い従業員を出勤させないよう求めた。警報の期限は設けていない。

 一方、流行「第8波」に備えて新設した4段階のレベル分類は下から2番目のレベル2(感染拡大初期)を維持。対策強化宣言を発令できるレベル3(医療負荷増大期)への引き上げは、重症者用病床使用率が20.9%(19日現在)にとどまることから見送った。

 対策本部会議では一部医療機関でスタッフが感染するなどしてコロナ病床の受け入れが制限されているとの報告もあった。伊原木知事は会議後「非常に厳しい局面。今後の感染動向はわれわれ県民の行動にかかっている」と述べた。

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