激高…電話中に後ろから聞こえた「会話」で流血騒ぎに 電話から包丁に持ち替えた男、知人いるアパート襲撃

アパート室内で男性死傷=久喜市

 2019年6月、埼玉県久喜市内のアパート室内で男性=当時(26)=の腹などを包丁で突き刺して大けがを負わせ、別の男性=当時(25)=の首などを刺して失血死させたとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われた、ベトナム国籍で住居不定、無職の男(28)の裁判員裁判の初公判が19日、さいたま地裁(小池健治裁判長)で開かれた。男は「私は首に刺していません」などと殺害を否認した。

 冒頭陳述で検察側は、男が男性らと電話をしていた際、「電話口の後ろから聞こえた声に激高した」と指摘。包丁を持ってアパートに向かい、部屋にいた2人の男性を刺したとした。

 一方弁護側は、包丁で刺した行為は認めたものの、致命傷となった首を包丁で刺した行為は否定。「玄関を出たら首から血を流している男性を見つけた。怖くなって逃げた」とし、殺人罪ではなく傷害罪にとどまると主張した。

 起訴状などによると、男は19年6月29日午後9時55分~同10時5分ごろの間、久喜市内のアパートでベトナム国籍の男性=当時(26)=の腹などを包丁で複数回突き刺し、6カ月の大けがを負わせ、ベトナム国籍の知人男性=当時(25)=の首などを複数回突き刺し、左内頸(ないけい)静脈損傷により失血死させたとされる。

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