冬の主役たち(1) バスケットボール 後藤有輝(別府溝部学園3年)& 梶西未知(大分3年)がチームを勝利に導く 【大分県】

全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)に出場する男女県代表の注目選手が、大一番に向けて調子を上げている。別府溝部学園のキャプテンとしてチームを引っ張る後藤有輝(3年)と大分の司令塔として試合を組み立てる梶西未知(同)だ。

「この大会で本格的にバスケをするのが最後になる。後悔のないプレーをして、見ている人に感動を与えたい」

後藤は2度目のウインターカップへの思いを語った。身長170cmはセカンドガードとしては小柄だが、全身からみなぎる力強さとアグレッシブなプレーでチームに勇気を与える。釜坂遼アシスタントコーチは「『男』でなく『漢』という漢字がピタリとくる選手。熱いプレーは見ていて頼もしい」と評する。

県外から選手が集まるチームにあって、県内選手としての思いは強い。「大分出身の選手としてメンバーに入り、試合に出て活躍したい。そんな思いで練習をしてきた。あっという間の3年間だったけど、溝部学園でプレーできたことを誇りに思う」と歩んできた日々に思いをはせた。

昨年のウインターカップは自身初の全国の舞台だった。「これまで経験した大会とは全く別物。空気が違った」と振り返る。今年は「あの空間で思い切りバスケを楽しみ、溝部学園の名前を全国にアピールしたい」と、過去最高のベスト8の高みへ決意を語った。

後悔のないプレーをしたいと語った後藤有輝

大分中学に女子バスケ部ができたのが2015年、その3年後に高校でも創部し、中高一貫で強化してきた。3期生の梶西は高校1年生の頃からコートに立ち、2年時には大黒柱として悲願のウインターカップ出場を経験した。楠本哲二監督は「梶西がいるといないとでは全く別のチームになる。コート上の監督」と絶大な信頼を寄せる。

空間把握能力に優れた梶西は、わずかに空いたスペースに絶妙なタイミングでパスを送り、味方の得点をアシストする。40分通した試合展開を考え、自ら得点も狙うことで相手のマークを分散させることもできる。「中学からの6年間でゲームの組み立て能力は高くなった。仲間に頼ることでアシスト数が増えた」と自分の成長を感じている。

今夏の全国高校総体は体調不良で出場できなかっただけに、最後の全国舞台への思いは誰よりも強い。ウインターカップで「毎試合25得点20アシストを狙う」と、これまで目標数値を挙げなかった梶西が明確な数値を弾き出したのは、チームを勝利に導きたい思いの現れだ。「少しでも長く、このチームでバスケをしたい」と「6年間の集大成」への思いは強い。

勝利に導くプレーを誓った梶西未知

(柚野真也)

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