大阪メトロが発表した「森之宮新駅構想」とは 設置計画や開業時期、新駅デザインなどまとめ

新駅が整備される森之宮検車場。中央線と千日前線の列車の日常検査、保守及び留置機能、および、線路保守施設を有しています(画像:Osaka Metro)

Osaka Metroは2022年12月21日、大阪城東部地区に位置する森之宮検車場内に新駅を設置する方針を決定したと発表しました。

国際的な観光拠点である大阪城公園や森之宮周辺では、2020年9月に策定された「大阪城東部地区のまちづくりの方向性」をもとに開発計画が進んでいます。Osaka Metroもその一員として、まちづくりのコンセプトを踏まえつつ、中央線(東西軸)における西の「夢洲」に対する東の拠点を形成する考えです。

森之宮周辺の開発エリアは開発需要に対するアクセス性が弱く、交通環境の整備が必要でした。そこで、森之宮検車場内に新たな鉄道駅を設置することでこの問題を解決し、開発エリアのポテンシャル向上を図ります。

森之宮検車場はOsaka Metro「森ノ宮駅」のやや北西に位置しています

新駅開業時期は「大阪城東部地区まちづくりの1.5期開発に間に合うよう、2028年春を目指します」としており、あと五年ほどで登場する見込みです。

万博開催前後で変わる森之宮検車場はどう変わるか

大阪・関西万博会場全景夕景(画像:(公社)2025年日本国際博覧会協会)

Osaka Metro中央線は2025大阪・関西万博開催時、会場となる夢洲へのメインアクセス線となります。

夢洲延伸で3列車、輸送力増強のため10列車、計13列車の増備が予定されており、中央線の最小運行間隔は3分45秒から2分30秒に短縮される見込みです。

御堂筋線を走る30000系を改造した「30000A系」が中央線に投入されています。万博終了後、同形式は谷町線へ転用される予定です(その他、中央線の新型400系が来春デビュー予定)

では、増備分の列車を留め置くためのスペースをどこに確保するのか――Osaka Metroは森之宮検車場内の既存の保守施設を移設・撤去することでスペースを確保し、13列車分の留置線を設置するための工事を進めています。

万博開催までに検車場場内に13列車分の留置線を整備する

計画では万博輸送を乗り切ったのち、増備車両を他号線へ転用する予定となっています。そこで、万博のために整備した13列車分の留置線は不要になりますので、これを撤去して新駅を設置、既存の側線に線路設備・信号設備を整備することで営業線化します。

万博後、不要になった13列車分の留置線を撤去し、新駅を設置します

新駅のデザインは「卵型」?

新駅外観のデザインパース

新駅は「大阪城東部地区のまちづくりのコンセプトと合致し、西の拠点(夢洲)対峙する『シンボリック、かつ、インテリジェンス(知)・イノベーション(革新)・インキュベーション(新規事業等の孵化)』を球体が浮かび上がってくるイメージで表現する唯一無二のデザイン」とします。

イメージパースを見ると、外観は透明な卵かラグビーボールのようです。構内は「多世代・多様な人が集い・交流する国際色ある場」とされており、開かれた駅といったイメージでしょうか。

新駅構内のイメージパース

今後はOsaka Metroが設置方針を検討し、社内における需要予測などの詳細検討のフェイズ、関係者との協議を経て、詳細が決まり次第発表となる見込みです。

(画像は一部記載のあるものを除き、Osaka Metroの報道発表資料から)

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